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ジャイアンツは,10勝できるかどうかが見極めにくい門倉を獲得する代償として,門倉よりもローテ投手としては劣るかもしれませんが,若手投手のお手本となっていた工藤を失うこととなりました。
ただ,今回の工藤流出についてジャイアンツに過失はあったのでしょうか。
まず,過失が認められるには,工藤をプロテクトから外すと横浜が工藤を指名してくることを予見できた必要があります。
たしかに横浜は門倉が抜けることで先発ローテが不足していました。左腕というのも魅力的だったでしょう。さらに,弱体といっていい横浜投手陣における精神的支柱を必要とする事情もあったと思います。
しかし,工藤は昨年は13試合の登板で3勝2敗、防御率4.50にもかかわらず2億9千万円の高額年俸です。大減俸してもおそらく1億以上であり,43歳という年齢から成績が急反発する可能性が低いことからすると,精神的支柱としての役割を加味してもコストパフォーマンスが良いとは言い難いところです。
また,横浜は多くの選手が契約更改で保留をしたり,門倉に対しても厳しい評価(適正評価という話しもありますが)をしたりと対成績のコストパフォーマンスを厳しく求める傾向が感じられました。また,それほど財政面が豊かとは言い難く,工藤のような高年俸投手を獲得する余裕は感じ取れませんでした。
さらに,横浜は過去大魔神佐々木に対して大盤振る舞いをしていたので,この点をもって横浜はビッグネームには強い訴求力を持ち,資金を注ぎ込んでくることを予見しなければならなかったのかといえば,大魔神は大リーグ帰り,かつ,横浜最大の生え抜き看板選手であるという特殊事情があったので,これを横浜の体質であると推測するのは無理があるのではないかと思います。
以上,このような状況を考えると,ジャイアンツが工藤をプロテクトから外しても横浜は指名してこないだろうと考えるのも無理がないと思えます。すなわち,ジャイアンツには予測可能性がなく,今回の出来事を過失として責任を問うのは酷ではないかなあと思っています。
また,さらにたとえ予測可能性があったとしても,もう一つ結果回避可能性がなければ過失で責任を問うわけにはいきません。すなわち,他のより重要な選手をプロテクトするためには,工藤をプロテクト対象から外さざるを得なかったという事情があった場合です。プロテクトできる選手は28人しかいないため,そのような事情がある可能性はかなり高いと思われます。ただ,今のところプロテクトリストが手に入らないのでこの点については検証できません。続報を待ちたいと思います。
○横浜がFA人的補償で工藤指名を発表 日刊スポーツ
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横浜は9日、同市内の球団事務所でFA移籍した門倉健投手(33)の人的補償として、巨人工藤公康投手(43)を指名したことを発表した。
[2007年1月9日15時23分]
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