今年のCSでは亀井の起用がめちゃくちゃ叩かれていました。亀井をCS敗退の戦犯にあげる声も多かったです。昨年は優勝の原動力と誉められ、最強の5番打者などと称えられていたのとは隔世の感があります。

 私は昨年亀井が持ち上げられていたのをやや冷ややかな目で見ていた方です。確かに以前に比べると打てるようにはなりましたが、足が比較的早い左打者にもかかわらず打率は.290で打撃が開眼できたと言うには物足りない数字。球場別打率では下位相手の神宮・横浜の打率が高く、上位の甲子園・ナゴヤドームの打率が低い。内容も甘いファーストストライクを見逃したかと思えば、0-2からボール球を振ってしまったり。得点圏打率も平凡です。

 『プロ野球スカウティングレポート2010』(アスペクトムック)は「バットスウィング時にムダな動きがなく、トップの形の安定感は抜群。苦手なコースがなく、どのコースでもきれいにヘッドが抜け、安定して打てるフォームができている。・・・今年は打率三割、30本塁打も狙える。」などとべた誉めしていましたが、この本もいい加減なこと書くなあと疑わしい目で見ていました。正直、私は今年のような成績もあるだろうなあと思いながら亀井を見ていました。

 そして、不幸にも私の予感は的中してしまいました。
 しかし、私は亀井を起用した原監督の采配を批判する側には立ちません。私は今シーズン前半、CSでの亀井起用の采配は理解できるものです。なぜなら、亀井がうまく育てば、ラミレス・小笠原が下り坂になる、ここ5年のジャイアンツの中軸を坂本とともに担ってもらうことができるからです。その期待・その希望を試し、育てるのにこの程度の機会を与える采配は許容範囲だと思います。勝てる中で育てるというまっとうな采配だったと思います。結果として育たなかったのかもしれませんが、それは結果論であり、方法論としては間違っていなかったと思います。そして、その方法論が正しければ、いつか花開くのも約束されたものだと思います。原監督には、このままの采配を続けて欲しいです。