8月22日の対ヤクルト戦で高橋由伸がセンター前ヒットで本塁まで帰ってきました。ボールを後ろに逸らしたセンター上田のエラーが付いたので,記録上は単打のセンター前ヒット,打点も付きませんでした。ただ,下記記事に「幻の」付けているように,記録員の判断によってはランニングホームランにもなり得たのかなと思うので残念です。映像は一度見ただけなので確実ではないですが,センター上田は後逸の際ボールに触れていなかったようですし,ライナー性のあたりで落下点に入れる打球でもなさそうでした。ランニングホームランならば由伸としては初だったようで,残念です。由伸の今の脚力を考えると,もうこんな機会はなさそうなので,余計に残念です。

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巨人・由伸、大の字!ランニング“本塁打”
http://www.sanspo.com/baseball/news/20120823/gia12082305070004-n2.html[SANSPO.COM]

 (セ・リーグ、ヤクルト3−5巨人、16回戦、ヤクルト7勝6敗3分、22日、神宮)巨人は22日、ヤクルト16回戦(神宮)に、5−3で逆転勝ち。五回、ベテランの高橋由伸外野手(37)が、ヤクルト・上田剛史外野手(23)が中前打を後逸する間に、一気にホームインする大激走をみせ、チームを勢いづかせた。チームは引き分けを挟んで4連勝で貯金を今季最多の31とし、鬼門の神宮でも今季5試合目で初勝利。中日が勝ったためこの日のマジック点灯はお預けとなったが、23日に巨人が勝ち、中日が敗れれば、優勝マジック「30」が点灯する。

 真夏の大激走だ。坂本の逆転2ランで3−2とした後の五回二死走者なし。高橋由がライナー性の打球を放った。

 前進したヤクルトの中堅手・上田が後逸。ボールは無人の外野を転々。37歳はグングン加速した。勝呂三塁ベースコーチの腕がグルグル回る。悠々セーフのタイミングにも決死のスライディング。一周約110メートル、15秒5!! セーフを確認すると、思わず大の字だ。クールな男の珍しいポーズに、神宮がわいた。

 「キャンプだってあんなに走らないよ。三塁までと思ったけど(コーチが腕を)回していたので、何かアクシデントがあったのかと思った」

 記録は中前打と上田の失策で、自身初のランニング本塁打はならず。それでも原監督が手をたたいて三塁ベンチを飛び出した。突発的行動に、コーチ、ナインが続く。控えの俊足・藤村が「あれだけ走られたら、外(ベンチ前)に出ないわけにはいかないでしょう」と最敬礼した。

 「最初から全力疾走していた。多少のジャッグルはあったけど、今年を象徴しているよ」

 原監督は、“幻のランニング本塁打”を生んだ手を抜かない走塁に敬意を表した。チームを鼓舞する大激走。今季3敗1分けと“鬼門”になりつつあった神宮での今季初勝利を呼びこんだ。

 けがをも恐れない球際のプレーが、由伸の代名詞だった。一方で、けがが、由伸本来のスピードを奪っていた。

 フェンスを恐れず、何度も激突した。鎖骨骨折、左かかと、右足首の強打…。ダイビングキャッチでの左脇腹肉離れと腰痛…。足首と腰にはメスも入れた。

 昨年、フェンスに激突して肋骨(ろっこつ)を骨折した際、「なぜ打球に飛び込むのか」と尋ねたことがある。「そこにボールがあるからだよ」。事もなげに答えた。37歳は信念を曲げず、故障を克服して、スピードを取り戻した。

 勝呂コーチは証言する。「キャンプから常に全力で走っていた」。由伸の背中は藤村らのお手本。だから誰もがベンチから飛び出したのだ。

 2位中日が勝ったため、マジック点灯はお預け。それでも引き分けを挟んで4連勝で貯金は今季最多の「31」だ。背中の「24」にたっぷり土のついたユニホームをまとってクラブハウスまで歩く重たい足取りは、どこか誇らしげだった。
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