スポニチで高橋由伸と菅野の対談企画がありました。高橋由伸は,2000年3月に小学生の菅野と会う機会があったようです。どんな機会だったのかは,紙面からは読み取れません。高橋由伸はそのときから原監督の甥っ子ということで菅野に意識が向いていたようです。

 高橋由伸が今のプレーに対する意識を語っていますが,「あと何年できるかも分からないし」と言っています。当たり前かもしれませんが,ファンとしては「あと何年」というふうに複数年を意識してくれているのが嬉しいところです。また,腰の手術で1年休んだときには,かなりのブランクを感じたこと,新人のときにはかなりのプレッシャーを感じていたこと,今は色々なものを背負ってプレーしていることなど,色々な考えが分かり興味深い記事です。

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・スポニチアネックス
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/09/23/kiji/K20130923006672460.html
出会いから13年…由伸&菅野 一緒に優勝「夢にも思わなかった」

 巨人の高橋由伸外野手(38)と菅野智之投手(23)が、スポニチ本紙紙面でスペシャル対談を行った。新旧黄金ルーキー。高橋由はプロ3年目の00年3月に、当時10歳だった菅野少年と初めて会い、13年ぶりの再会だった。その年、2人は同じユニホームに袖を通し、リーグ連覇に貢献した。

 高橋由 まさか、あの時会った少年と一緒に優勝。夢にも思わなかった。覚えている?

 菅野 もちろんです。小学生がプロ野球選手と会える機会なんてめったにありませんから。そういう意味では自分の方が、より鮮明に覚えていると思います。

 高橋由 確か開幕前だよね?俺は3年目だから24歳で、智之は?

 菅野 小4だったので10歳ですね。とにかく緊張しました。小さい頃でしたから、野球の話なんかはできなくて。一瞬、会ってあいさつして、写真を撮ってもらったんです。自分はそれだけでもう、十分でした。その時は“うわっ、本物だ”という感じでした。

 高橋由 俺は(原)監督のおいっ子が野球をやっているのは知ってたからね。“あぁ、この子なんだー”って、なんか妙に冷静だった。気になり始めたのは高校生くらいかな。大学生になってからはニュースで“きょう、東海大の菅野投手が投げました”とかやっている。その度に“ああ、たぶんプロに来るんだろうな”って思うようになった。それがだんだん“巨人に来たらどうなるんだろうな”って想像するようになっていった。

 菅野 そんなふうに思っていてくれたんですね。僕はこうして一緒にプレーさせていただいているのが凄く不思議です。初めてお会いしたときには、一緒のチームで野球ができる日がくるなんて、夢にも思っていなかったですから。

 高橋由 それはお互いさまだよ。今年、初めて食事したのは6月の静岡遠征かな。ケガで2軍にいたからずいぶん後になったけど。一番、覚えてるのは“浪人時代のブランクを感じる?”って聞いたら、間髪入れず“大丈夫です”って返ってきたこと。たいしたもんだな、と思ったよ。俺も(09年に)腰の手術をして、1年間休んだ。年齢的な部分もあったと思うけど、戻った時には、だいぶブランクがあるなと感じたからさ。

 菅野 たしかに打者だったらきつかったかもしれません。いくら打撃練習をこなしても、生きた球は打席でずっと見られないわけですから。ただ投手は投げることに関しては自分次第。場面や緊張感をつくれば、いくらでもできます。

 高橋由 でも、もちろん不安もあったわけでしょ?

 菅野 ありました。どうなんだろう、というのは常にありました。でも自分で決めた以上は後には引けない。とにかく、自分で感じた必要なことやいろんな人から聞いたことを信じて、毎日やるしかなかった。もしダメだったらこの先ない、というくらいで1年間、取り組みました。

 高橋由 静岡でゆっくり話をして、凄くしっかりした考えを持っていると感じたよ。もっと素材だけでやっていると思っていた。それが、練習のことや食事にしてもいろいろ考えたり工夫している。話を聞きながら、なぜだか安心したな。

 菅野 由伸さんは1年目は、どんな気持ちで過ごされましたか?

 高橋由 緊張というよりも不安かな。本当にできるのかなって。期待もあったけど、期待外れであってほしいという人もいたと思う。そういうものをなんとか見返してやろうという気持ちはあった。智之は?

 菅野 自分の場合、ほかの人とは違う形で入りましたから。それをよくは思わない人がたくさんいるのは分かっています。それを受け止めて1年目が勝負だと思ってきました。

 高橋由 期待されて入るという環境は大変。まして、前の年に優勝したチーム。でも、それを感じさせない。たぶんそうやって育ってきたんだろうな。小、中、高とずっと“原監督のおいっ子”と言われてきたわけでしょ?

 菅野 そうですね。でも、それはしょうがないですからね。

 高橋由 そういう目に慣れているといったら変だけど、しょうがないんだよな。さっきも言ったけど、期待されている分、期待を裏切ってほしいと思う人がいる。一つ言えるのは、俺も菅野も分かっていてそういう道を選んだ。だから頑張るしかない。

 菅野 僕なんかは大変とは思わないです。1年目で何も失うものはないですし。でも、ここまで積み上げてきたものがある先輩は大変だと思います。

 高橋由 いや、それはね、これから1年ずつ、いろんなものを背負っていくんだよ。このチームの主力でやっている人はみんなそう。それに、そういう存在にならないといけない。まずは優勝して、一つ、背負ったわけだ。

 菅野 はい。そういうことになるんですね。

 高橋由 CSや日本シリーズを終えたら、また背負うものが増えるかもしれない。俺は今年もケガをして迷惑をかけたからいいシーズンではないけど、振り返っても仕方がない。いるときに頑張らないと。あと何年できるかも分からないし、悔いのないようにやりたい。毎日、きょうが最後と思っている。

 菅野 自分も最後までやらないと、と思っています。ここまでがよくても、この後いい投球ができないとシーズン中のものは薄れてしまう。ここで外れてしまったら、去年も含め、今までやってきたことも水の泡になってしまうと思っています。

 高橋由 その気持ちがあれば大丈夫。外野から見ても思うけど、本当に頼もしいルーキー。お互い最後まで頑張ろうな。
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