今季のジャイアンツはリーグ優勝を逃し,チームの若返りも進んでいません。選手起用・獲得もどちらかといえば硬直的で近い将来に明るい兆しが見えません。

 そんな今シーズンで明るい話題は,菅野の安定,坂本の復活でしたが,そこに田口の躍進が加わりました。

 昨季に続いて今季も良い投球を続け,今後10年間ジャイアンツの投手陣を支えてくれるのではないかという期待を持たせてくれます。肉体的にも,精神的にも安定している立ち振る舞いが頼もしいです。また,バッターボックスでの所作も運動神経の塊に見え,スポーツが「巧い」選手なんだろうなと嬉しいです。

 ただ,田口のxFIPを見ると,4.03(菅野は2.60,マイコラスは3.46,内海が4.00,今村が4.19)と以外と悪く,勝ち星や防御率とズレているのが気になります。

 おそらく,K%が19.1(菅野は25.9,マイコラスは20.9,内海が16.9,今村は17.3)と高いとは言えないためと思われます。また,BB%が7.8(菅野が3.6,マイコラスが5.5,内海が5.3,今村が10.4)であることも影響しているでしょうか。

 他方,被打率が.235(菅野が.224,マイコラスが.254,内海が.262,今村が.285)と低いため,勝ち星や防御率につながっているようです。

 三振奪取の能力を飛躍的に高めるのは難しいかもしれませんが,四球は伸ばす余地があると思いますので,ここを高めていけば,より長く,高い次元での活躍が期待できるのかもしれません。また,どちらかと言えば打たせて取る側の投手のようですので,田口登板のときは守備力の高い野手起用をした方が良いのかもしれません。セカンドはクルーズよりも片岡を起用してほしいところです。