残念ながらCS1stは敗退してしまいましたが,短期決戦の采配としては精一杯のもので,納得のいくものだったと思います。

 投手起用では,先発のマイコラス・田口・内海は菅野の欠けたジャイアンツでは最高の三枚です。1戦のマイコラス・山口・マシソン・澤村の継投は初戦なのでシーズンに沿うのは仕方がないです。澤村が結果として打たれましたが,初戦から澤村を外すことはできないと思います。2戦は澤村を外し,マシソンを回跨ぎで投げさました。非情の采配ですが,短期決戦としては合理的です。3戦では内海を2階途中で見切り大竹の好投を導きました。11回に失点しましたが,3階から11回までの9回を1点で乗り切ったのは良い采配だったと思います。
 投手起用は,今の持ち駒でほぼ最高の結果を出したと思います。

 打者起用では,坂本を1番,村田を3番に置き,坂本・村田・阿部・長野を固めました。坂本が12-6の.500,村田が(11-5)の.455,阿部が(12-3)の.250,長野が(11-3)の.273で,その他の打者が(54-2)の.037だったことを考えると,これ以外はない打順の組み方だったと思います。もっと思い切るなら,2番村田もアリかとも思いましたが。唯一の誤算はギャレットでしょうか。まさか11-0になるとは思いませんでした。ただ,ギャレットの代わりと言っても,立岡・橋本・堂上しか選択肢がなく,ありえるとすれば堂上だったでしょうか。いずれにせよ期待値はほとんど上がらないですし,その予想は神視点でなければ無理なものだったと思います。

 今季はシーズン2位になれたこともかなりの運があったと考えざるを得ない戦力ですし,CS1stは力を出し切っての負けだったと思います。シーズン中はかなり頑なに見える采配だった高橋由伸でしたが,こういう采配もできるのだと分かったのが,このCSでの最大の収穫でしょうか。