「阿部慎之助がいなければ,2001年以降のジャイアンツの勝利・優勝がどれだけ減ったか分からない」

 この言葉は,阿部を褒めるための修辞ではありません。事実です。一定水準の力を持つ捕手でありながら,四番打者級の打撃成績を残し続けた阿部慎之助は,ジャイアンツの歴史上,チームへの貢献度では最高峰にあるのではないでしょうか。こんな選手を入団からずっと見続けることができたのは野球ファンとして望外の喜びです。2000本安打の偉業に心から祝福を送りたいと思います。そして,こんな選手はおそらくもう一生見ることができないのだろうなという一抹のさみしさも感じます。野球史上でもめったにない瞬間に立ち会っていたのだと思います。