吉川光夫と宇佐見の代わりに来た鍵谷陽平が中継ぎで良い仕事をしています。20日の中日戦を抑えた時点で10試合連続無失点だそうです(22日も無失点だったので,記録は11に伸びました)。


 2019年のジャイアンツでは吉川光夫が全く機能していなかったので,その代わりに入った鍵谷がこれだけ活躍してくれると,ここまでは大成功のトレードだったと評価できます。

 ただ,今後もこの活躍が続くのかと言えば,残念ながら難しい可能性の方が高そうです。

 鍵谷の防御率は,8月22日終了時点で2.30と素晴らしい成績です。ただ,K-BB%は,▲9.2とジャイアンツ投手陣の中で最悪の数値です(澤村は14.7,高木京介は22.3,中川は25.2です。)。
 対して,被打率がチーム最小の.192と素晴らしいのですが,DERが.830とチーム最高の数値となっています(2位の高橋優貴は.753,澤村は.667,高木京介は.712,中川は.674)。被打率の低さは,打たれた打球が幸運にも野手の守備範囲に飛んでいる可能性があります。
 また,LOB%も93.4とチーム3位の高値です(澤村は83.7,高木京介は81.2,中川は84.0)。2.30という防御率の低さはこのランナーのホームへの帰還率の幸運に支えられている可能性があります。

 これらの幸運を表すように,WHIPは1.34と平凡ですし,FIPは6.54,xFIPは6.73とかなり悪い数値です。

 各種指標を見ると,残念ながら,今までの活躍は幸運に支えられている可能性が高いと言わざるを得ません。シーズン中に大きく崩れる場面が一度ならずありそうです。また,これらの指標が今後も改善しないならば,一度の失敗が命取りになる,CSや日本シリーズでの起用は避けた方が良いのではないかと思います。