今年の沢村賞は受賞者がいませんでした。
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 7項目の中で「200投球回以上」と「完投10試合以上」は到達者ゼロ。分業制が進み、先発投手の役割が大きく変わってきたことが改めて浮き彫りになった。堀内委員長は「野球のシステムが変わってきている」としつつも「賞のレベルをこれ以上、下げたくないというのが5人の意見。完投しなくてもいいとなると、沢村さんの名前に傷をつけてしまう」と、賞の“権威”を守る意味も含めた授賞見送りと説明した。
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 この結果に対して,「今の野球は変わって先発投手の数字が,今までどおりにならないのは当然」,「基準がおかしい」,「投手の価値観は変わった」などとして,沢村賞の選考がおかしいという意見があるようです。

 しかし,沢村賞は「先発完投型投手」の中で優秀な選手に贈られるのが,今の定義なのですから,今年の選考はおかしくありません。沢村賞を「先発完投型投手」賞から変えるべきだというのなら,百歩譲って分かりますが。

 ちなみに,私は,沢村賞を「先発完投型投手」賞から変えるべきだとは思いません。それならば,他の賞を作るか,沢村賞という名前を変えた方が良いと思います。野球の変化に合わせて賞の内容を変えるならば,賞の名前もその中身に併せて変化させる方が合理的だと思います。沢村賞はそのまま残し,受賞者が表れなくなったときは,この賞の歴史的役割を終えさせ,野球の質的変化を表現すれば良いのだと思います。