2019年の亀井善行は,15年のキャリアの中で2番目と言ってよい成績を残しました。36歳になって成績が上がるのは珍しいことだと思います。亀井の努力と才能の賜物です。
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 2018年のOPSは.708で,生涯OPSは.715ですが,2019年は.786と好成績でした。これは,キャリアハイの2009年のOPS.864に次ぐ数字と言えると思います(2014年のOPSは.827ですが,打席数268で2019年の503の約半分なので,2019年の方が上の成績と評価できるのではないでしょうか。)。
亀井2 出塁率は,2009年の.354に迫る.346,長打率は.440と生涯SLGである.402を上回りました。

 惜しかったのは打率です。最終打率は.284だったのですが,これがセ・リーグ第11位でした。10位が阿部寿樹の.291ですので,7厘差でした。8月途中までは3割を超えていたのですが,8月は.216,9月は.264と急激に打率を落としてしまったのが悔やまれるところです。
 実は亀井はキャリアハイの2009年も打率10傑入りを11位で逃しています。2009年は打率.290で11位。10位はチームメイトの阿部慎之助(.293)でした。2度も「阿部」に阻まれたかたちです。

 本塁打もキャリア2番目の数字である13本でした。これは前年2018年と同じ数字です。2019年は,生涯ISOの.143を上回る.156を記録していますので,この本塁打数になるのも納得です。

 では,亀井がなぜ好成績を残すことができたのか,各種指標を見てみたいと思います。

 特徴的なのは,打球速度が速く,ライナー性の当たりが多かったことです。数字のある2014年から2019年の間では,LD%が2番目に高い12.1で,Hard%も2番目に高い34.4でした。芯に当てる,かつ,強く振り抜く打撃が徹底できていたのだと思います。

 この打撃を貫けたのは,選球眼が良かったためではないかと思います。O-Swing%が27.5と最も低く,ボール球に手を出していないことが分かります。また,ボール球を打つ,O-Contact%も67.1と最も低い値です。打つべき球だけを打つ姿勢が徹底できていたために,ボールを叩いたときには,早いライナー性の当たりを放つことができたのだと思います。
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 ただ,2019年の亀井も弱点がありました。それは,上にも書いたように,試合に出続けると疲れが出てしまうことです。8月,9月の失速はこのためだと思います。この二月は,打率が低く,三振が多い月になり,最終成績をかなり落としてしまいました。
 また,左投手が打てなかったことも大きな弱点です。右投手(PA303)は.330,本塁打12なのに対して,左投手(PA147)は.190,本塁打1でかなりの差があります。原監督の采配はかなりの左右病ですが,亀井に関しては適切な采配だったと言わざるをえません。

 来期は37歳のシーズンで,体力はまた落ちざるを得ません。今期は亀井以外に信頼できる打者がおらず,結果的に亀井が出場し続けなければなりませんでした。来期も同じ状況ならば,亀井の成績は今期と同様,尻すぼみにならざるを得ないと思います。亀井の成績は,ジャイアンツの外野手の充実度に左右されることになると思います。
 ただ,いずれにせよ,あと7本に迫っている1000安打,あと4本に迫っている100本塁打には2020年中に到達できそうです。坂本の2000安打もあり,来期のジャイアンツは個人成績のメモリアルイヤーになりそうです。