宮國の背番号が30から58へ降格されてしまいました。一時期は開幕投手を任せられるほどに期待をされていた投手にもかかわらず,ここ数年は中継で起用され続け(しかも,どちらかと言えば敗戦処理),とうとう江川の背負っていた背番号30を外されてしまいました。来年27歳なので,そろそろ戦力外の声も聞こえるポジションになってしまっています。

 ただ,宮國のWARを見ると,2014年から2019年まで,0.0,0.5,0.2,1.0,0.4,0.8と小幅ながら,プラス方向の数字を保ち続けています。今季の0.8はジャイアンツ投手陣の中では11番目です。最悪というわけではありません。また,一イニングに出すランナーの数を表すWHIPも1.18でジャイアンツ投手陣の中では8位タイです。勝ちパターンで活躍した澤村・田口と同じ数値で,悪くないはずです。しかし,首脳陣・ファンの目には,宮國の投球は物足りなく映っていることは確かだと思います。
2019G WHIP20 その原因は,K%の低さにあると思っています。上の表は,ジャイアンツ投手陣をWHIPの値でソートをかけたものですが,宮國は,勝ちパターン中継の中川,澤村,田口,高木とWHIPが同程度にも関わらず,K%が一段劣ってしまっています。その上,BB%が抜群に良いわけでもないため,投手の力を示す,K%-BB%が9.8と10を割り込んでしまっています。これは,宮國が打者との対戦を支配できていないことを表していると思います。打者を三振でねじ伏せるのではなく,バットに当てられて,その打球がどこに飛ぶのかは運次第という勝負が多くなっているのだと思います。そのため,宮國の投球を見ている側としては,ハラハラしますし,打ち取っても宮國の力で勝負に勝ったという感覚を得がたくしていると思われます。

 このようなピッチングのため,投手の力を表すK%-BB%は低めですし,xFIPも良い数字になりません。xFIPは,澤村,田口,中川が3.5前後なのに対して,宮國は4.69です。この表の中では,かなり下の方に位置づけられる数値です。来季は何らかのブレイクスルーを果たさなければ,このままジリ貧になってしまいそうですが,そうならないことを祈っています。