鍬原は,2017年のドラフト1にも関わらず,3年目を迎える来年に早くも背番号降格を受けてしまいました。29から46への降格です。たしかに,今年の鍬原は15試合に投げましたが19イニングを任されただけで,防御率4.74という散々な結果でした。心機一転,来年はサイドスローにフォームを変更するようです。

 ただ,今年の鍬原の各種指標を見ると,2019年の悪い結果は,不運によるところが大きい可能性もあるのではないかと感じました。
2019 HR9(鍬原)
 上記表は,鍬原とGの主戦級投手の各種数値です。たしかに,鍬原の防御率は4.74で他の投手に比べて良くありません。ただ,xFIPとなると桜井を抜き,他の投手との差が縮まります。WHIPは,山口さえ抜いて,5人の中ではトップの数値です。これは,BB%と被打率が5人の中で最良の部類のためかと思います。
 では,なぜ防御率が4.74という悪い結果になるかと言えば,被本塁打が多いためです。HR/9が5人の中で圧倒的に悪い数値です。ただ,鍬原のこの多い被本塁打は,HR/FBつまり,フライにおける本塁打の割合が高いために起きた現象です。そして,HR/FBはかなり運に左右されやすく,多くのイニングを投げれば,平均に収束すると言われています。すなわち,鍬原の2019年は19イニングしか投げていないため,運悪く,フライが本塁打になってしまった割合が多いだけとも解釈できます。この被本塁打の運が平均化すれば,低い被安打率,BB%が効いてきて,xFIPひいては,防御率も下がる可能性があります。加えて,K%も悪くないので,その可能性はかなりあるように思えます。
 来年の鍬原は,今年の桜井のように,覚醒・躍進する可能性もあるのではないでしょうか。