立岡宗一郎は,2012年にソフトバンクホークスからジャイアンツへトレードで移籍してきました。ところが,その年に左肘靭帯断裂のケガを負ってしまい,右打ちから左打ちへ転向せざるを得なくなりました。この大きな試練にもかかわらず,2015年には彗星のような活躍で367回打席に立ち,WAR1.5を記録しました。打率も.304の好成績で,このまま行けばジャイアンツの外野の一角を10年近く占めるかと思いました。

2019 立岡宗一郎

 しかし,2015年の活躍を忘れてしまったかのように,その後はジリ貧で徐々に成績が落ち,2019年はとうとう一軍では16打席しか出場機会が得られず,二軍暮らしが長く続くようになってしまいました。そんな状況で2020年は30歳を迎えてしまいます。

 長打は望めず,四球もあまり獲得できないタイプなので,立岡はとにかく単打をたくさん打つしかありません。ところが,生命線の打率が2015年以降,一軍では上がってきません。

2019 Gイースタン打者(PA100以上)

 上記表は,2019年イースタンのジャイアンツ100打席以上の打者ですが,立岡はチーム8位の217打席に立ちました。ところが,打率は.230でした。BABIPが.277で下振れしているので,運が悪かった面はありますが,BABIPが.300程度でも,打率は.250を超える程度だったと思われます。これでは,一軍に上がる成績ではありません。

 長打率,IsoPを見ても,厳しい数字で,二軍でも長打力は発揮できていません。また,IsoD,BB%も低く,BB/Kは0.33しかありません。プロ10年を超えて,この数字では厳しいです。2020年は相当の活躍をしなければ,戦力外の可能性が高いと言わざるを得ません。2012年のような見事な復活を遂げてほしいところです。