山康晃が苦しんでいます。プロに入ってから最も苦しい状況かもしれません。
山崎康晃1
 山のK%は25%後半だったはずですが,今季はたったの10.2%しかありません。加えて,BB%もキャリア平均の倍近い数値の13.6%に悪化しています。このため,K-BB%が▲3.4%と散々な値です。三振が奪えず,四球を出してしまう。抑えの切り札を任せることはできない結果です。
 しかも,被打率が.353,HR/9が1.590と単なる独り相撲ではなく,しっかりと打者に打たれてしまっています。また,内容が悪い上に,DERが.628,LOB%が64.7%で,運の悪さも絡んでしまっています。これらの結果,WHIPは2.29,xFIP6.15と信じられない数値になってしまっています。
山崎康晃2
 ライナー,ゴロ,フライの打球傾向には特徴はありません。ただ,打球方向には強い傾向があり,Pull%が46.5と高値で,Oppo%が16.3と低値です。打者に思いっきり引っ張られていることが分かります。これは打球の勢いにも表れていてHard%が40.5と高値なのに対し,Soft%が14.3と低値になっています。打者に気持ちよく打たれてしまっている姿が浮かびます。
山崎康晃3
 山が有効なボールを投げられていないことは,スイング率からもわかります。O-Swing%が低値でボール球を振らせることができていません。Z-Swing%とSwing%も低いのは打者にボールを選ばれてしまっているのかなと思います。Z-Contact%を見ると90.7と高値となっており,スイングをされたときは確実にボールを捉えられてしまっていることが見て取れます。そのため,SwStr%は著しく低く,空振りが全く奪えていません。

 このとおり,現在の山の投球は三振や凡打が取れず,痛打を浴びたり四球を出してしまっていることが良く分かります。山の投げるボールに何らかの変調があることは明らかでしょう。チームとしては,このままの状態では,抑えの切り札として起用するのは難しいのではないでしょうか。