原監督は,高橋由伸監督と比較すると,動的な采配を取ります。先発オーダーの組み替えや試合中の選手交代は明らかに多いと思います。また,その内容も大胆です。その采配がハマることが多いために,抜群の結果を残していますし,面白いゲーム展開も見ることができます。ただ一方で,首をかしげざるを得ない采配も生まれます。昨日(7/30)の8回裏の陽岱鋼の打席はその典型例です。

 また,原監督の左投手に右打者をぶつける采配も,ファンの納得性があまり高くない采配の一つだと思います。データ上,左投手を苦にしない左打者と左投手を苦手にしている右打者がいる場合にも関わらず右打者を先発に起用したり,右打者よりも左打者を苦手にしている相手先発投手にも関わらず右打者をスタメンに並べたりという場面が多々あります。この点について,鷲田康氏がコラムを書いています。右打者よりも左打者を苦にしているDeNA濱口に対し,右打者を並べた原監督に鷲田氏が以下のように尋ねたそうです。
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巨人・原辰徳監督の“人を動かす” 采配術。「うちはデータより役割」
 そこで試合後、失礼を承知で監督に聞いた。
「濱口の右打者へのデータって入っていましたよね?」
 すると原監督はあっさり言う。
「知ってたよ」
 それではなぜデータを無視して右打者を並べるオーダーを組んだのか?
「うちは役割ということでやっているからね。まずそこからあのオーダーでいきました。データより彼らの役割を優先していこうということで、ああいう先発オーダーを組んだということだね」
 データ上は不利なのは分かっていても、あえて左投手を攻略することを仕事にする右打者に、攻略の糸口を見つけ出させるために組んだオーダーだったという説明だ。
 ベンチに入っている選手は必ず役割があり、その役割に沿って首脳陣はその選手を起用する。
「こういうシチュエーションになったらお前さんの仕事だよ、と。だから選手も『ここは俺の出番だ』『この投手なら声がかかるぞ』って、準備をして待っている」
 そういう選手たちに与えた役割とその責任感を尊重した。その結果がデータとは裏腹のあの右打者を並べたオーダーだったという訳なのである。
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 私は原監督の説明にはちょっと納得がいきません。役割と言いますが,その役割の割り振り方が,そもそも間違っていると思うからです。「左投手なら右打者」ではなく,「右打者の方が打てる確率の高い投手ならば右打者」という役割にすれば,上記のようなデータに反し,かつ,実りのない采配にはならないはずです。
 現代の野球で,「左対右」なんていう単純な価値観で野球をしているプレーヤーはいないでしょうし,もし,いたとしても,そんなプレーヤーは駆逐されてしまうと思います。原監督の役割論は少し単純に過ぎ,選手の理解力を浅く考えすぎではないでしょうか。

 もちろん,データが野球の全てを支配しているわけではありませんし,野球のデータには不完全さが多々あります。ですので,ただ単にデータに従って采配を取ることが良いとは思いませんし,それでは高い勝率は望めないと思います。現場と野球人にしか分からない「何か」は必ずあり,それはデータを補ったり,凌駕したりするのだと思います。

 ただ,投手対打者の左右采配について,原監督が上記のような理屈を持っているとしたら,それはちょっと違うのではないかなあと思いますね・・・。
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