田崎健太『ドライチ』(株式会社カンゼン)を読みました。この中で酷いなあと思う記述がありました。
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72,73頁 CASE3 的場寛一
 タイガースに対する注目度の高さを思い知ったのは,入団会見直後のことだった。
 十二月十五日,ドラフトで指名された八選手が甲子園球場と合宿所を見学している。
 「新聞記者の人から”甲子園どうですか?”って聞かれたので,”もう素敵ですね”と。また別の記者が”こんなところで左中間真っ二つのツーベースとか打ったらいいですよね”と話しかけてきたんです。そりゃそうですよねと相づちを打った」
 するとーーーーー。
 翌日の『デイリースポーツ』紙の一面には甲子園球場に立つ的場の写真に<いきなりイメージわいた 的場 上原撃てる>という見出しが踊っている。
 <「一番,ショート・的場」。場内アナウンスを受け,緊張の甲子園初打席に立つ。マウンド上には,宿敵・巨人の上原が・・・。20勝投手の初球は真っすぐ。的場の打球は,快音を響かせた。弾丸ライナーであっという間に左中間フェンスに達していた。
 「左中間を真っ二つ。悠々の二塁打でしたよ」
 的場は,スコアボードを眺めながらニッコリ笑った。宿敵を打ち砕いた”甲子園初打席初安打”。約二秒間のイメージだったが,的場はプロとして生きていく姿を,しっかりと頭に描いていた>(九九年一二月一六日付)
(中略)
 的場は記者に上原と対戦して二塁打を打ちたいなどと話していない。全く違う内容の記事となっていたことに呆れていた。

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 捏造です。取材対象に迷惑をかけています。
 このスポーツ記者はどういうモラルなのでしょうか。つい先日発表されたゴールデングラブ賞とベストナインでは,100人中100人が選ばれるはずがないと考える選手に投票をした記者がいました。スポーツ記者にはこういうモラルの人がいるんだなということがよく分かります。新聞社は何をしているのでしょうか。本当に情けない話しです。
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