高橋由伸政権ペナント1年目は,1位広島に隔絶の差を付けられた2位で終わりました。

 高橋監督の采配は,原監督に比べて動かない,地蔵のごとしと言われます。特に打者起用は変化が乏しいと言われます。実際,打者の起用がどうだったのか,2015年と2016年の試合数・打席数を並べて比較してみました。

2015-2016

 太字の坂本,長野,阿部,亀井,村田は基本的にケガをしていなければ起用された2015年,2016年両年にまたがる不動のスタメンです。2016年は村田への信頼感が絶対的でした。

 オレンジの背景は,今季大幅に出場機会を増やした選手,新加入で積極的に起用された選手です。小林誠・辻が前者,ギャレット・クルーズ・脇谷・山本・重信が後者です。

 青の背景は,今季大きく出場機会を減らした選手です。片岡・立岡はケガでシーズンを棒に振りました。アンダーソン・加藤健は,ギャレット・小林誠にポジションを奪われました。

 緑の背景は,細かな数字の変動はありますが,ベンチ入り,1軍半として2年間同程度に起用された選手たちです。橋本・松本・中井は比較的出場機会を多くもらいました。吉川・大田・寺内・實松はほぼ同等でしょうか。鈴木尚・堂上・相川が出場機会を減らしています。

 灰色の背景は2015年限りで引退・退団(坂口は育成へ)した選手で,高橋由伸の分は,ギャレット・重信で,井端の分はクルーズ・脇谷・山本が埋めた形でしょうか。

 2015年に出場した野手は31人,2016年は30人でした。
 こうして出場試合数と打席数だけでみると,文頭に書いた高橋監督は動かなかったというイメージはあまり感じないようになりました。起用した選手数はほぼ同じですし,打席数も多数の選手にそれなりに与えられています。ただ,若手の新規選手が少なかったので,未来に向けたイメージがなく,停滞感を大きくしているのかもしれません。オレンジ背景の若手は,小林誠は2014年から出場していますので,山本,重信,辻の3人だけです。ただ,2014年から2015年にかけても同じ表を作ってみましたが,実はオレンジ背景の若手は2015年も岡本,立岡,吉川くらいです。原監督の最終年からジャイアンツ野手の停滞は進んでおり,今季のような選手起用は,高橋監督の采配の特徴と言うわけではないような気がします。加えて,スターティングメンバーをあまり変えなかったこと,しかも打順もあまり変えなかったために,変化が乏しく感じられ,動かなかったというイメージになったということでしょうか。

2014-2015