大船渡の佐々木朗希が地方大会決勝で登板回避をしチームが負けたことで,「なぜエースが決勝で投げないのか?」と,多くの批判が出ています。
私は,今までの試合の中で,疲労が溜まっているだろう投手を投げさせないことは戦略的に妥当ですし,選手の健康を考えた上でも,真っ当な考え方で,佐々木の登板回避を批判するのはおかしいと思います。
特に,「選手達が甲子園に出たいという夢を持っているのだから」という前提をおいて,批判している意見には全くシンパシーを感じません。野球部員全員が,甲子園を至上のものと考えているわけではないと思います。高校野球をしている部員には,それぞれの目標や打算があるはずで,「甲子園をキラキラとした瞳で見つめる」ような部員が全員だと考えて立論するのは,現実離れしています。
特に,各種メディアは,佐々木が「投げたかった」と言っていることをクローズアップして報じていますが,佐々木の本心がどうあれ,「こう言うしかない立場にある」ことを忘れてはいけないと思います。もし,「自分には将来があるのだから,決勝では投げたくなかった」という本心を持っていたとしても,それを口に出せば,周りとの関係が崩れてしまい,佐々木は日常生活を営むこともできなくなってしまうでしょう。それを分からないまま,佐々木の「投げたかった」を鵜呑みにして,大船渡の国保監督を責めたりするのは,的外れも良いところだと思います。
この出来事が,球数制限・登板制限・日程改変・トーナメントの廃止など,高校野球の大きな枠組みを変える,一歩になってくれることを祈ります。世間のエンターテインメントのために,選手が,甲子園で燃え尽きる,身体を壊すというようなことがなくなることを祈っています。
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